TES4の備忘録

Memorandum of TES4 一泊二日のオンライン(?)

悪夢の闇を越えて ~ Through A Nightmare, Darkly ~ (前編)

Category: OBLIVION > ロールプレイ日記   Tagged: oblivion  オブリビオン  
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 Bravilの魔術師ギルドからの、というよりはそこの支部長のKud-Ei個人からの戦士ギルドへの依頼で、私はその日Bravilを訪れていた。雨は降っていなかったものの、霧とBravil特有のジメジメした気候のおかげでなんとも気持ちの悪い日和だった。





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 住人の多くが経済的に貧しく、荒々しいというより質素、悪く言えば品のない町の中にあって、この魔術師ギルドは文明的な建物のひとつだ。支部長のKud-Eiは綺麗に整頓されたホールの片隅、ベンチに腰掛け一心不乱に調べ物をしているようだった。

「遅くなりました、戦士ギルドの狼子・ツキシマです。今回は、行方不明者の捜索だとか」

「よかった。来てくれましたか。・・・ここでは人に聞かれます・・・どうかこちらへ」

「・・・はい?」




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 導かれるままついていった先は、今回行方不明になったというギルド会員Henantierの家だった。





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 貧しい者が多いこの町の中でHenantierは比較的裕福な層にあるらしく、ギルドと同じく綺麗に片付けられた二階建ての家の中の調度品は比較的高級なものが多かった。





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 階段を上がり、二階にある寝室に入ったとき…ベッドに横たわり眠るHigh Elfが目に入った。随分寝苦しいらしく、悪夢でも見ているのか、眠ったまましきりに両手を振り回して何かを振り払おうとしているように見えた。

「この人は・・・?」

「彼が、Henantierです」

「・・・はい??」





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 Kud-Eiの話によるとこうだ。

 Henantierは、度重なる研究の末、心も身体能力もそのままに自らの精神世界に入り、夢に似た仮想世界で自由に行動できる装置、"Dreamworld Amulet"というマジックアイテムを完成させた。その世界を自らの修行の場として使えるかを確かめたかったらしい。そして結果はお察しの通り、夢の世界へ入ってから三日間、彼は未だ戻ってこないのだそうだ。





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 何故他のギルド会員、もしくは自分の手でなんとか出来なかったのか?その理由のひとつは、Henantier自身の日頃の行いのせいだった。彼は以前に危険な実験のためにギルドを除名されそうになり、次回同じようなことを行えば次こそ除名処分を下すという旨の警告を受けていた。しかし彼は規則を素直に守るような人物ではなく、実験に関してはギルドの目に触れない自宅で行っていたらしい。ギルドに助けを求めれば、今度こそ彼が除名処分を受けてしまうのは明白だった。

 更にもうひとつ、Kud-Eiや他の顔見知りが助けに行けないのは、もし彼の見知った人物が目の前に現れたとしても、混乱状態にあるHenantierは彼らを自らの夢の産物と片付け相手にしないだろうからとのことだった。見ず知らずの人物が入って初めて彼を助け出すチャンスが生まれる。





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「夢の世界へ入るには、自らも夢を見られる状態になる必要があります。今、彼の首からアミュレットを外します・・・さあ、こちらを。これをつけて眠れば、彼の精神世界へ旅立つことが出来ます」

 Kud-Eiから渡されたアミュレットは、銀細工のフレームに大きな虹色の石がはめ込まれた特徴的なデザインだった。早速胸に下げてみる。





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「こちらのベッドをお使いください。私は万が一に備えて、お二人の身体を見守ります。どうか、お気をつけて」

 眠りの闇はすぐにやってきた。















***
















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 どこだろ・・・ここ。

 ・・・そうだ、早く仕事に行かないと。










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 ・・・ん?あれは・・・。










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 誰かいる・・・見たことがある気がする。

 でも思い出せない・・・どこで会ったっけ。










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「あら。またお会いしましたわね」















***
















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「うわっ!!驚いたぞ!!」





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「君は幻じゃないのか?」

「あ!Henantier!一緒に帰ろう!Kud-Eiが待ってる!」

「いや、待つんだ、待ってくれ、私は少し混乱している・・・しかしそれより何よりだ、私が混乱していることよりも、君はもっと先に気をつけなければならないことがきっとあるはずなんだ。それはつまり私の目のやりどころをどこに置くべきかという事と」





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「つまり君が寒くないのかということだ」

「あ」





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 私は確かにHenantierの精神世界に到達できた。しかし、装備のすべてはアミュレットを除いて奪われてしまっていた。夢の主としての特権を持っているHenantierと違い、侵入者の私は身体ひとつしか持ち込むことが出来なかったらしい。しかも、首にかけられたアミュレットの効果で魔法が完全に封じられていた。





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「これで大丈夫・・・さあHenantier、ここから出ましょう。出方について何か心当たりはありませんか?」

「実を言うとわからないのだ。いや、何もかもわからない。一生ここから出られない気がしてるんだ。いや、それとも果たしてここから出るとはどういうことなのか、それがどんな意味を持つのか、わからないんだ。いや、わからないってなんだ?」

「・・・はい?」





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「関係ない・・・そう、関係ないんだ。私には関係ねぇ。そんなの関係ねぇ!関係とはなんだ。私は私の何に関係していたというのだ。わからない。何もかもちんぷんかんぷんだ。関係に関係する関係性を私に関係させる何かが奪われたせいで正常に思考できないのだ。多分そうだ。きっとそうなのだ」

「は、はあ。そうですか」





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「だがこうも考えられるのだ。いや、実際には何も考えていないのだが、いや、そもそも、何かに関係することでしか生きられない今の生に対する執着への関係性が失われた今こそ、私の精神は完璧に自由であり、輝きを放っている。つまりわからない。何も。何もだ。しかしそれが今は心地よい。何も考えずにすむということは、ここでこうして踊り続けていても全然関係ないってことだ。今私の魂はとても満たされている。最高にハイって奴だ」

「じゃ、じゃあその奪われた何かを探してくればいいんですね」

「うむ。いいとも言えるし悪いとも言える。いや、善悪に関係させて考えるのはよくないかもしれない。この場所で私に何か意味があるとすれば、それはこうして踊ることだけだ。いや、意味など関係ない。必要なのは意志だ。魂だ。心の輝きだ。君の魂がそれ行えとを叫ぶなら、その話は君に頼むことにしよう。今の私はただ踊り狂うのみだ。君と同じく、魂のささやきに従うのだ」

「あ、はい」





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 Henantierの言うことは完全に支離滅裂だった。いや、聞く人が聞けば興味深かったりするのだろうか?まったく、学者の考えることはわからないことばかりだ。それでも、彼の滅茶苦茶な言葉の中から、彼が失くした何かを見つけることがここから出る鍵になるであろうことがわかった。





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 この現実世界のHenantierの自宅に似た空間には四つの扉があり、それぞれPerception(認識)、Resolve(決心)、Courage(勇気)、Patience(忍耐)と名づけられた試練の部屋に繋がっているらしい事がわかった。これは恐らくHenantierが、修行の場としてこの世界を創造したことによるのだろう。ということは、彼が「奪われた何か」と呼んだものは、その試練の先に報酬として隠されていたりするかもしれない。





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 考えてるだけじゃどうしようもない。とにかく先に進んでみよう。まず私は、「認識の試練」と名づけられた部屋に入ることにした。





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 扉の先は、暗い空間がどこまでも広がる場所だった。その虚空の中に、浮遊する石の道が点々と続いている。遠くには、青く光る何かが安置されているのが見えた。あの場所が恐らく終着点だ。いや、例えそうじゃなかったとしても進むほかはない。だって私の背後では、たった今出てきた扉が跡形もなく消えていたのだから。





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 赤く不気味に輝く魔石の光と手にした松明・・・これはこの部屋に入ってすぐの場所に置かれた箱の中から見つけた・・・の炎を頼りに石の道を進む。足元の闇の底は見えない。ここから落ちたら多分、助からないだろう。これはもう、修行どころの話じゃない。苦行だ。





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 はっとして頭上を見上げると、落石のトラップが松明の光にぼんやり照らされているのが見えた。足元のスイッチを踏んだらこれが落ちてきて押し潰す仕掛けだ。





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 その先にはよくAyleidの遺跡で見かける、振り子のように動く大きな刃の罠が円形に設置されていた。仕掛けが丸見えで本物より動きを予測しやすい分避けるのは容易だったが、この設置の仕方には夢ならではの禍々しさを感じた。





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 刃の罠をジャンプで飛び越し次のエリアに入ったとき・・・うかつにも毒ガスの中に飛び込んでしまった。幸い吸い込んだのは少しで大事には至らなかったが、この世界には傷を治療する手段がない。魔法も封じられている。気をつけなくては。





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 白い炎に照らされた通路には、巨大なギロチンの罠。凄まじい重量を誇る罠だ。当たれば多分助からないだろう。私は慎重に動きを読みながら進んだ。





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 やっとギロチン通路を抜けたその足元には・・・危ない!





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 落石の罠だ。どうやら一瞬気を抜くことも許してもらえないらしい。危ないところだった。





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 その先には、通路の床に謎のスイッチ。上に乗ると何かが起こるのだろう。道の左右に浮遊する闇のウェルキンド石を作動させるスイッチなのではないかと思われた。





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 スイッチを踏まぬよう通路を飛び歩いて進む。床から足が離れまた着地するまでの間、生きた心地がしなかった。すぐ脇にはどこまでも続く奈落が口をあけているのだ。





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 ホタルのような光に守られ安置されている青い玉にやっと辿り着く。これが、Henantierから奪われた何かだろうか?青いオーラを放ちながら浮遊する玉に、私は手を伸ばした。





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「うわっ!驚いた二回目!」

 青い玉に手のひらが触れ、気が付くと私は元の部屋に戻っていた。手には、青い玉に触れたじんわりと暖かい感覚が残っていた。





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「認識の試練の間で光る玉を見つけたはずなんだけど・・・気分はどうです?」

「ああ・・・うむ、君の言うとおり、私は今多くのことをまた認識できるようになったよ。今の私はこの場所にも、そして君にも何かしら関係した存在だということがわかる」

「それじゃあ」

「だが、あー、うん、なんだ、あーダメだ、同じ事をずっと考え続けるのはやっぱり苦痛だ。私にはやっぱりそのときの気分で踊り狂う生活が合っているんだ。きっとそうなんだ。いや、待て、今度は無性に別の踊りがしたくなってきた。しかし・・・しかし次にどんな踊りを、または踊りなんかやめてしまえばいいのか、それを考え続けることがとっても苦痛なのだ。もうひとつ言うとこうして君の顔を見続けることも苦痛になってしまった・・・ああ、悪く思わないでくれ。いや、悪く思ってもらっても構わない。そのことの私にとっての良し悪しについて考えるのが既に苦痛だしこんなところでくすぶっている事も既に苦痛なのだ」





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「・・・わかりました、今度は忍耐の試練に行ってきます」

 私は忍耐の試練の間の扉を開いた。





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 あの時触れた青い玉が彼の精神から失われたElementであり、それを取り戻すことで彼を一歩正気に近づけられるとわかっただけでも収穫だと思わなければならない。じゃないとやってられない。あんなの。

 忍耐の試練の間は先ほどの部屋とは違い、奇妙な静けさと暗闇に包まれていた。





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「ん?」





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「・・・ただの樽か?」





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「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」










つづく。


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 でかすぎ。
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泥龍 (clay7890d)

Author:泥龍 (clay7890d)
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 統一宇宙暦0083年32月生まれ。スットコイッチョム大学中退。趣味はポロ。この連載が完結したら結婚するという言葉を遺し挟まって失踪。現在は連続で墜ちて来る隕石と各国からの難民受け入れへの圧力を撃ち落としつつ、機首の辺りから高出力レーザーを放つわけわからん戦闘機(?)である。科学的な根拠についてはよくわかりません。

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